
TOP > 健康支援情報 > 膝関節についての疾患と治療法 その2
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半月板(はんげつばん)は膝の関節の中で衝撃を吸収するクッションのような役割をしています。体重がかかった状態で膝を捻ったりした場合に半月板損傷(断裂)が生じます。 多くはスポーツ活動中におこりますが、日常生活の何気ない動作などで損傷することもあります。 また、小児に半月板損傷が生じる場合は、そのほとんどは半月板の形態異常である円板状半月(えんばんじょうはんげつ)が原因となります。

半月板が損傷しても安静にしていれば痛みはありませんが、膝を捻ったり、方向転換をしたりする時に痛みを生じます。また断裂が大きくなり、関節のすき間にはさまると、突然に膝が伸ばせなくなること(ロッキング症状)があります。 半月板損傷を放置して慢性化すると、膝に水がたまったり、関節軟骨がすり減り、変形性膝関節症の原因となったりします。
診断は、損傷された半月板に沿った痛み(圧痛)の有無や膝を捻ることで痛みが生じるかをみます。半月板はX線(レントゲン)には写りませんので、MRI検査が有用です。現在は診断のための関節造影や関節鏡検査はほとんど行われません。
治療は、局所の安静や消炎鎮痛処置(湿布など)といった保存的な治療が行われますが、症状が強い場合は関節鏡(かんせつきょう)を用いて半月板を縫合したり、部分的に切除したりします。

前十字靭帯は、大腿骨に対して脛骨が前にずれるのを防止する靱帯です。 スポーツ活動中に最もよく損傷(断裂)します。 ラグビー、柔道といったコンタクト(接触型)スポーツのみならず、バスケットボール、バレーボールなどノンコンタクト(非接触型)スポーツにおけるジャンプの着地や方向転換の際に膝を捻り受傷します。

受傷時には、膝が“ガクッ”としたり“ブチッ”と音を感じたりすることがあります。直後は当然痛みのために歩行が困難となり、膝の中に血がたまったりします。 しかし、痛みが比較的早期に改善するために「膝のねんざ」として見過ごされてしまうことがあります。 これを損傷したまま放置すると、スポーツ活動中や方向転換時に膝が“ガクッ”とずれる「膝くずれ」という症状が残ります。この膝くずれを繰り返すことで半月板や関節軟骨が傷み、変形性膝関節症へと進行していきます。

前十字靱帯は一旦損傷すると、非常に特殊な場合を除いて治癒することはありません。このためスポーツ選手だけではなく、若い人や活動性の高い人では、手術的な治療を行うことになります。 手術は通常、自分の膝から腱(けん)の一部を採取し、靱帯を作り直す靱帯再建術(先進治療編参照)という方法が行われます。幾つか再建方法がありますが、通常手術後6~9ヶ月でスポーツ復帰が可能です。
特発性骨壊死とは、明らかな原因が無く(特発性に)骨が壊死(えし)して、徐々に骨が潰(つぶ)れていく病気です。 高齢の女性に多いことから骨粗鬆症(こつそしょうしょう)との関連が指摘されています。

症状は膝関節の痛みで、変形性膝関節症(へんけいせいひざかんせつしょう)とは異なり夜間にも痛みがあることが特徴的です。骨が潰れて関節軟骨も損傷されると変形性膝関節症のように膝が次第に変形していきます。
壊死の範囲が小さい場合は保存的に経過を観察し、壊死部の負担を減らすために膝の装具や足底板などの装具治療を行います。 しかし、壊死の範囲が広かったり、骨の潰れが進行してきたりした場合には、骨を矯正する高位脛骨骨切り術(先進治療編参照)や人工膝関節置換術(先進治療編参照)などが行われます。
正常な半月板は上から見るとアルファベットの“C”の字状で、横から見ると“くさび”のような形をしていて、大腿骨(だいたいこつ = 太ももの骨)と脛骨(けいこつ = すねの骨)のすき間を埋めています。 これが円板状半月では先天的に円板のように厚く丸い形をしているため、大腿骨と脛骨に挟まれて損傷しやすくなります。
関節鏡は、1918年に高木憲次先生により世界に先駆けて日本で創始された医療技術のひとつです(http://www.joskas.jp/)。 小さな切開(約5mm)を皮膚に加えて細いカメラを挿入し、関節の中を観察します。現在はテレビ画面を見ながら、関節内外の様々な手術が行われています。従来の方法に比べ、傷をつける部分が小さく、手術後は早期に動かす事が可能となり、リハビリテーションも容易になりました。
筋肉が骨に付着する部分を“腱”と呼びます。 良く知られているアキレス腱は、ふくらはぎの筋肉の腱です。 靱帯再建術には、ハムストリング(太ももの裏の筋肉)の腱や膝蓋腱(太ももの前の大腿四頭筋)がよく用いられます。
骨の中の細胞が何らかの原因で死んでしまった状態です。 膝の特発性骨壊死は、主に大腿骨の内側の体重のかかる部分に生じます。 一方、他の病気の治療に用いられたステロイドという薬の副作用として生じる骨壊死は“ステロイド性骨壊死”と呼ばれ、膝の広い範囲に生じます。
骨のカルシウムが減った状態で、骨が大根の鬆(ス)のようにスカスカになった状態です。 骨粗鬆症になると背骨が曲がったり、転倒などで手首やももの付け根(大腿骨頚部)が簡単に折れたりします。